問題はアフロミュージックの聴き方にあった
ほとんどの生徒の悩みは、『振り覚えが悪い』『フリースタイルが嫌い』だ。
それらの生徒の悩みを改善すべく、あの手この手でいろいろ工夫を凝らしてレッスンをしてきた。
これまでのやり方でも、生徒たちからはたくさんの喜びの声をもらっているが、私の踊り出しの合図やお手本がないと、戸惑ってしまう生徒さんも少なくない。
ファティマタダンスクラスは個性や自由表現をモットーにしているが、『自由に!』という言葉が、逆にプレッシャーになってしまう生徒さんが多いことに気がついた。
『自由に』という言葉がかえって、彼女たちを『不自由』にさせていたのだ。
アフロダンスの魅力は自由な表現力である。
そこがガチガチだったら、アフロの魅力は半減する。
ある時、生徒たちからこんな声が上がった。
「音楽のどのタイミングで動きをチェンジしてよいか分からないんです。」
彼女たちの問題点は、振り付けを覚える以前のところにあったのだ。
要するに、音楽の聴き方に問題があった。
今までの私はダンスのテクニックや表現方法ばかりにフォーカスしていたが、それらを習得したところで、どの音に反応して、どのタイミングでカウントを取っているのか分からなければ、気持ちよく踊れるはずがないのだ。
それを聞いた時、ショックだった。
何にショックだったかというと、そんな初歩的なことに気づかないで指導していた自分にだ。
アフリカ独特のリズムの取り方が呼吸のように潜在意識となっているアフリカ人に自分もなってしまっていたのだ。
私がそのリズムを感覚として捉えるようになるまでに、長い年月をかけたプロセスがあったことを自分はすっかり忘れていた。
それらをすっ飛ばして、生徒たちに自由表現をさせようとしていたのだ。
生徒たちよ、ごめん!
ということで、私が『感覚』としてリズムを捉えられるようになるまでのプロセスを思い出し、どうすれば、分かりやすく生徒たちの体に浸透させられるかを考えに考えた。
そして、それらのエッセンスをギュッと凝縮したトレーニング方法を編み出した。
意識的に動かしていた足が、無意識で動くようになるまでにはしつこい反復練習が必要である。
その反復が退屈にならずに、ゲーム感覚でできることが必要だ。
慣れてきたら、そこに応用を少しずつ加えて行く。
そうすることで、全ての振り付けがどのように構成されているかが見えて来る。
私がよくやっている、インフルエンサーたちの振り付けの解読が生徒たちも苦なくできるようになると思うのだ。
そして、解読ができれば、組み立てもできるようになる。
そうすることで、フリースタイルに挑むハードルも下がるはずである。
まずは、先日、お試しでアフロリズムトレーニングをレッスンでやってみた。
下に、そのクラスのダイジェストを掲載する。
まだまだ改善の余地はあるが、初回からかなり大好評だった。
これで少しでも、アフロダンスが楽しくなるなら本望だ。
レッスンに通っているのに、クラブに行ってもカッコよく踊れない、というコンプレックスからは解消されるだろう。
みんながサークル作って、フリースタイルで楽しんでいる光景を夢見て。。