2004年の体験記|WordPress版公開:2014年7月31日

いざゴール島へ!

日曜日。 ベンジーとゼイヌと3人でゴール島へ行く日が来た。

ベンジーの仕事の関係で日帰りで行くことになった。

いつも昼過ぎに起きるゼイヌもこの日は少し早く起きた。

ベンジーは朝からテンションが高く、私と目が合うと人差し指を立て「ゴール島の夜は寒くなるからね」と言い、再びバタバタと準備を始めた。

ベンジーを見ていると笑いが出てしまう。

彼は時おりピタッと止まってはあごに手を当て、考えごとを始めたと思ったら、「アッ」とまた人差し指を立ててバタバタ動き出した。

ベンジーの落ち着きない行動が、ゴール島へのワクワク感をいっそう掻き立てた。

それとは対称的にゼイヌはソファーに座り、ベンジーの準備が終わるのをのんびりタバコを吸って待っていた。

「ニュデム!(行きましょう)」

私たちはベンジーの車に乗ってゴール島の船乗り場まで向かった。

ベンジーのアパートから30〜40分の海岸沿いに到着した。

ゴール島は、代表的な観光名所で世界遺産でもあるゴレ島とは違い、こぢんまりとした小さな島だった。

海岸から島まで移動するのに、大きいフェリーをイメージしていたが、用意されていたのは定員10名くらいのボートだった。

私達は救命用のベストを着せられボートに乗った。

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ボートに足を一歩踏み入れると、ボートがグラッと揺れ、船頭さんがすかさず手を差し出してくれた。

船頭さんに引っぱり上げられ、みんながボート中に着席すると、それぞれがワクワクした表情で、子どものようにはしゃぎ出した。

離れて行く海岸をボーっと眺めながら、頬に受ける海の風がなんとも心地よかった。

そうこうしているうちに、ゴール島まであっという間に到着した。

ゴレ島より観光客が少ないせいか、しつこい物売りやお土産屋の客引きもいない。

ところどころにポツンポツンとお土産屋さんや、白人用にお酒が飲めるバーがあった。

私達はビールを買って飲みながらビーチを歩いた。

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ベンチに横になっていたお土産屋の店主が私たちに気づくと、上半身だけ起こして「いらっしゃい」と声をかけてくる。

私たちは「後でねぇ」と手を振りながら目的地へ向かってとぼとぼ歩き続けた。

しばらく歩くとペンションに到着した。

古びてはいるが3階建てで大きかった。

ベンジーはたくさん鍵が付いているキーホルダーをポケットから取り出し、ジャラジャラと門の鍵を探し出し開けた。

「さあ、どうぞ。」

誰もいない建物は閑散としていた。

「暑い時期はたくさんの観光客で賑わうんだ。」

そう言いながらベンジーは部屋をひとつひとつ開けて中を見せてくれた。

セミダブルのベッドと天井からぶら下がった蚊帳だけのシンプルな部屋。

「来年ここに日本人をたくさん連れて来たらどうだい?この時期だったらフリーで使っていいよ」と部屋を見せながらベンジーが私に言った。

私は妄想が膨らんだ。

日本の仲間を引き連れて、昼はテラスでバーベキュー、夜は浜辺でキャンプファイヤー。

でも、繁華街までショッピングに行くのに毎回あのボートに乗らなきゃいけないのは不便だなぁ。

なんて、まだ叶ってもいない贅沢な悩みまで膨らんだ。

そしてちょうどセネガルツアーをやっているセネガルの友人のことを思い出した。

あのツアーの参加者たちは無事セネガルに着いて、今ごろ楽しんでいるかな?

私もいつか、たくさんの日本人にセネガルを案内してあげたいなぁ。

このペンションでみんなが楽しんでいるところを想像した。

サマーベッドの魔力

私たちはテラスに移動した。

私はゆったり座れる大きい椅子にサンダルを脱いで膝を立てて座り、ゼイヌはサマーベッドに横になった。

ベンジーは私達の空になりそうなビール瓶を見ると、ビールを買いに外に出て行ってしまった。

テラスには私とゼイヌが二人きりになった。

いつもしゃべっていたベンジーがいなくなると、とたんに波の音と風に揺れる葉っぱの音だけになった。

いつもと違うシチュエーションに少し緊張してしまう。

頭の後ろに手を組んで寝そべっていたゼイヌが、こちらを見た。

すると、彼は自分が寝ているサマーベッドの空いてるスペースを手の平でトントンと叩いた。

急に心臓がバクバク高鳴りはじめた。

私はサンダルを履いて、彼のサマーベッドのところまで移動し、彼の横にちょこんと座り直した。

ゼイヌは突然、私の腕をグイっと引っ張り、自分の方へ引き寄せた。

彼はビールで気持ちよくなっていたのだ。

いきなりの展開に驚いた。

今の時間は、ベンジーと3人で楽しんでいる時間。

私は「ベンジーが帰って来ちゃうよ。」と叱った。

ゼイヌは何も言わずはにかんだ。

彼の「お構いなし」といった表情があまりにもセクシーすぎて、自分の自制心が利かなくなっていた。

私は、「ベンジー、しばらく帰って来ないで下さい」と強く念じながら、自分を支えていた腕の力をそっと抜いた。

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