大混乱
今となってはの笑い話だが、
ガーナに行くまでの間、実は波乱だらけだった。
前回の(11話)で12名のメンバーが決まり、チーム名も『JAPAN YOSAKOI REN』と決まった!と発表した。
そのタイミングで、facebookやその他のSNSでも大々的に発表した。
「私たち12名でガーナに向かいます!!!」と。
これはクラウドファンディングを開始して、まだ目標達成額に達成する前の話。
facebookでは多くの「いいね!」をいただき、「がんばれぇ!!」のメッセージもたくさん寄せられた。
ちょうど、その発表の翌日、悪夢のような事件が起こった。
私たちが出場できない!!
やっとメンバーもチーム名も決まり、あとは衣装や振り付けを早く作らなければ。
そういう気持ちで、頭をアーティストとしての自分に切り替えた。
その矢先、私のとこりに届いた一通のメール。
送信者は、ガーナよさこい祭りを仕切っている代表者だった。
『そちらで把握されている参加希望者で20名程度でチームを作れるようでしたらご連絡下さい、参加頂けるよう準備致します。衣装は以前高知より送って頂いた法被、浴衣などの他当地で製作した衣装はあります。鳴子も日本製、ガーナ製などありますので日本よりご持参頂く必要はありません。』
え??
読み間違いだろうか?
心を落ち着かせて、何度も読み返した。
信じがたい文面に読めば読むほど自分の心拍数が上がり、息苦しくなっていった。
私たちはすでに、衣装や鳴子などの制作費や、同行スタッフなどの渡航費の資金援助としてクラウドファンディングで呼びかけ、すでに目標達成額の半分まで来ている。
私たちがガーナに旅立つまであと3週間。
鳴子も発注かけ、衣装のデザインももう決まっている。
頭が真っ白になった。
まさに、『メンバー12人でガーナに行きます!!』と発表した、翌日のメールである。
この主催者とは過去に数回メールさせてもらっていて、時差なのか自分のメールの不達なのか、レスポンスがなかったり、聞きたかった趣旨とは違った回答が返って来たりと、なかなかよさこい自体の詳細が掴めないことが多く、一抹の不安を残しながらも、半ば強行突破的な強引さでこちらもよさこいの準備を進めているところはあった。
そして突然来たこのメール。
もし、この代表者が、私たちの発表を見て、そのようなメールを送って来ているのなら、私たちが何か粗相して嫌われたのか、それか相当性格が悪くいじわるされているのか。
参加を楽しみにして予防注射やビザの申請を済ませた参加者、たくさん応援支援してくれているクラウドファンディングの人たち、その人たちに一体なんて言えばいいのだろう。
謝罪会見で謝っている不祥事を起こした社長みたいに、HEMOと並んで情けない顔して、謝罪しなければいけないのか。
そんな悲しい結果・・・。
悪い妄想ばかりが頭をよぎり、もう他のことが手につかない状態だった。
素敵な仲間たち
まずはHEMOにこのメールをそのまま転送した。
私からは、もう解決策はゼロ。
HEMOはどう出るだろう。
すると・・
「まじですか!!無視してればいいですよ!」
無視??!!!
いやいやいや、それでは解決にはならない。
そんな荒手なやり方、これがカリブのやり方か!!
だけど、もらったメールを無視する訳にもいかない。
こちらからはどう出たらいいだろうと悶々とした日々が流れた。
ガーナに在住の日本人の方にも相談してみた。
この日本人の方は、お会いはしたことないが、今回のガーナよさこいの記事を見てコンタクトを取って来たひとりだった。
まずは、そっくりそのまま主催者から送られて来たメールをその方にも転送した。
「なんて、意地悪な!!」
その方の反応も我々と一緒だった。
しかも、その方は、
「20人集めれば出場して良いのですよね?そしたら、どうにかして20人集めましょうよ。こちらでも人を集めます。」
と立ち上がってくれた。
「そこまで意地悪されて、泣き寝入りしてたまるか!」
会ったことない人が、そこまで協力しようとしてくれたその言葉に胸が熱くなった。
本当に、みんなが応援してくれている。
ここで、諦めてはいけない。
大きな勘違い
心穏やかじゃない日々が流れた。
ガーナよさこいに参加できるかどうか確定してない状況で、私たちは同時にクラウドファンディングの資金調達の呼びかけを精力的にネットで行っていた。
すると、そのガーナ在住の方から、またメールが来た。
「あ、ちょっと待って、その主催者、たまに文章が変な時あるよ。」
要するに、何について話しているのか、何の案件でのメールなのか、主題が抜ける時があるそうだ。
その人曰く、もらったメールの主題が、『私たちの出演について』なのか、ちゃんと確認した方がいいと。
確かに。。
過去にいくつかメールの問い合わせをして、そのいくつかはレスポンスがないものもあった。
こちらも、時間が経つにつれて、レスポンスがないものは却下になったものとして捉えていた。
そのレスポンスのなかったメールのひとつに、『現地の子供たちの希望があれば、私たちのチームに参加してよいか?』という問い合わせをしたことがあった。
私たちの要求は、現地の子供たちからは参加費をもらわず、社会貢献の一環として、私たちから衣装としてTシャツと鳴子を寄付させてもらう。なので、私たちの(日本で練習してくる人たち)枠とは別に、現地の子供たちだけが踊れる枠をひとつ作ってもらえないか。
というものだった。
それに対してのレスポンスはなく、時間が経ってしまった今となっては却下になったものだとみなしていたのだ。
もし、今回のレスポンスが、その過去のメールに対してのレスポンスであるなら、つじつまが合う。
試しに、しらじらしくこのようなメールを主催者に返信してみた。
『子供参加の件ですが、20名も満たないので今回は見合わせていただきます。(中略)さて、私たちにつきましては、着々と準備も進んでおり、本日もメンバーで振り付け練習を行ったところです。私どもを含めたメンバーたちの気持ちはすでにガーナに向かっており、大変楽しみに、意気込んでおります。チーム名は「JAPAN YOSAKOI REN」となりますのでよろしくお願いいたします。』
さて、反応は・・・
めずらしく、すぐにメールが返って来た。
『日本からは何名で参加されますか?準備の都合がありますのでご連絡をお待ち致します。』
・・・・・・。
今までの悶々とした日々、あれは・・・。
完全に我々の勘違いだった。
何か、釈然としないがとりあえず、一件落着。
それにしても、今回の件で立ち上がってくれたみなさんの愛に触れ、ますますガーナへ行くのが楽しみになった。
それだけ、みんなに応援されて支えられている。
今回の勘違いで、私たちがどれだけ恵まれた環境で活動できているか、そしてどれだけ応援してくださる方がいるかということをまた改めて感じさせてもらい、感謝せざるにはいられなかった。
(13)へつづく
ガーナよさこいを応援してくださったみなさん
ガーナよさこいにご協力くださったみなさま、クラウドファンディングへ5000円以上のご支援をくださったみなさまのお名前を掲載させていただきます。
東京渋谷本店 占いの館様/株式会社エデューズ様/Yuki Kageyama様/玉井 薫 様/鳴子工房こだかさ様/西石垣 光弘様/アースデザイン様/安田 英之様/ONZO様/CLUB CACTUS様/高橋潤様/BABRIE JAPAN様/ROMIE様/MICKY RICH様/須賀IZANAI連様/takec様/ びるじに様/ 株式会社集英都市開発様/ 伊藤千秋様/ Nakata Koji様/ コロール様/ Marvy-Q様/ 廣田(南青山法律事務所)様/ Akihiro Ishiguro様/ KOOONE様/ Ho Mayumi様/ 土師 剛様/ Yogie Yukiko Ariga様/ ピロピロ様/ nakyasun様/ ゆりこ様/ ゆみこんぶ様/ Kazuhide Sawada様/ やっちゃん様/ Osamu Uenakad様/ 踊る船乗り様/ Taihei Terasaki様/ Shiho Nakaji Ishizawa様/ 平野 亜未様/ Noriko Sato様/ かなめぐ様/ にしやん様/ よー様/ mama様/ minamishizuka様/ 田沼 義行様/ Timba Loca様/ zakkie様/ Kengo Yoshihara様/ もつ焼きみのる様/ Issay Kobayashi様/ まりえ様/ あんつ様/ 久保 紀子様/ sumix様/ Kaori Nasuhara様/ Masahiro Takahashi様/ Yasushi Wada様/ Maki Yoshida様/ D-suke様/ Na Shi様/ Hiroco Pan様/ 杏様/ みっちー様/ たなか つとむ様/ るる様/ 岡本 晶子様/ 砂子 智宏様/ mofongo様/ タッチャン様/ かまやん様/ Kanayo Futamura様/ 篭橋 菜々子様/ Takatoshi Uchikoshi様/ 加賀田 奈津美様/ 上野みなこ様/ 藤原 貴美様/ Orie Kawamura様/ Miki Elizabeth Ma'm様/ Genichi Kawada様/ Ken Muto様/ Satsuki Hae様/ matchy88様/ Sawada Kiyo様/ Toshio Tani Tachikawa様/ 那須 弥怜様/ こんどうすずこ様/ Yuko Hiruma様/ Noriaki Furuya様/ Miki Mukai様/ Takamiya Eitetsu様/ 伊藤久美子様/
まだまだ、こちらに書ききれないほど、多くのみなさんには応援いただきました。
ご協力、ご支援頂きましたみなさまに改めて深く御礼申し上げます。
本当にありがとうございました。