Very easy
20日の祭が終わった後、合同交流会がホテルで行われた。
ファティマタ族も参加した。
その交流会は主催の実行委員たちの計らいで、チームがひとつのテーブルに固まらないように、席はくじ引きになっていた。
ただ、私だけは受付ですでに『A』と書いてあるカードを渡された。
『A』席を探すと、その席はSUGA JAZZ DANCEの代表をはじめ、そうそうたる顔ぶれの方たちが座っていた。
しょ、職員室だ・・・。
私は悠一朗先生の隣に座った。
とにかく、今日踊らせてもらった報告をしたかった。
私は包み隠さず、自分が感じた全てを話した。
悠一朗先生は、踊れなかった私を叱咤するわけでもなく、励ますわけでもなく、
ただただ「分かります。」と受け入れてくれた。
そして、実は自分も初めはそうでした。と、今度は悠一朗先生の体験談を語ってくれた。
最初はモテようとしてダンスを始めたこと。
そんなヨコシマな心で始めたダンスが、ある人の心の支えになっていたことを知った時の罪悪感。
それは、私が合同演舞を魂で踊ることができず、踊りを演じていたことを悔いるのに似ている。と。
そして、悠一朗先生はあることがキッカケで、自分の踊りに対する意識が大きく変わったと教えてくれた。
そのキッカケが、ガーナだった。
悠一朗先生は、12年前ガーナのよさこいの立ち上げの時に現地に訪れた。
踊る環境も何も整ってない部落のようなところで、ある子供がダンスを楽しそう踊っていた。
その姿は本当に美しくキラキラ輝いていたという。
悠一朗先生は思わずその子供に尋ねた。
「どうして、そんなに楽しそうに踊るの?」
そうすると、その子供はなんのためらいもなく、「Very easy!!!」と答えたそうだ。
そして続けた、「だって、踊れば神とつながれるんだもん。」と。
その言葉は悠一朗先生を射抜いてしまった。
先代の須賀先生がずっと言い続けていた、『魂で踊れ。』
それをガーナの子供たちはいとも簡単にやっていた。
そこから悠一朗先生のダンスに対する意識を大きく変えてしまったそうなのだ。
ガーナの子供のその言葉が、今の悠一朗先生のダンスの礎になっていると言う。
『簡単なことだよ。踊れば神とつながれるんだ。』
ひとり新潟に残る
私が合同演舞をうまく踊れなかったことは、facebookにも投稿した。
すると、いろんな方から励ましと応援のお言葉が送られてきた。
その中にはお会いしたことない方もいた。
みんなが応援してくれている。
それだけで嬉しかった。
21日、本祭最終日、ファティ族みんながそれぞれの交通手段で、ひとり、またひとりと東京へ帰って行った。
そして、夕方になると、私だけひとりになった。
残るは、須賀IZANAI連の合同演舞で踊るのみ。
ファティマタを捨てる
時間になると、衣装に着替え集合場所に向かった。
今度こそ、みんなと一緒に踊りたい。
隊列を組むと、私の前の人の背中を見つめた。
月カムナガラの衣装には、背中に大きな満月が描いてある。
悠一朗先生がマイクで月カムナガラの説明を始めた。
「須賀先生が亡くなる前に、満月の夜にみんなでひとつになって祈りの祭りをしてほしい。
みんながひとつになることで平和でいい世の中を作って行きたい、と願いました。
その須賀先生の思いを作品にしました。」
その説明を聞きながら、目を閉じた。
『カムナガラ』は神のままにという意味。
『Very easy!!踊れば、神とつながる。』
何も考えず、よりシンプルに。
私は、ダンサーでも、エンターテイナーでも、ファティマタでもない。
ただの踊り子。
「構え!」の合図で準備に入った。
ワクワクし始めた。
曲が始まると、練習して来たことを思い切り踊った。
たくさん間違えた。
でも全く構わなかった。
なぜならみんなも同じだった。
間違えを気にすることより、みんなでひとつになることを楽しんでいる。
それが、手に取るように分かった。
自分がみんなの波動のうねりのひとつになっていることを感じた。
踊りきった時、お客さんがいたことを忘れて無我夢中になっていたことに気づいた。
踊れた。
そして心から込み上げて来た。ありがとう。
今までに体験したことない感覚だった。
『これが、祭りだ!!』
祭りはみんなをつなげる
控え室に戻った。
余韻に浸っている時間はない。
控え室がもうすぐ閉まってしまう。
急いで着替えて、きれいにスーツケースに荷物を詰め直した。
これから、夜行バスに乗って東京に帰る。
大荷物を両手に抱えて、ゴソゴソ控え室を出ようとすると、女の人が声をかけてきた。
彼女は、二人の子を持つお母さん。
子供たちが総踊りの踊り子として参加している。
その方はfacebookからも、私の書き込みにコメントを残し、陰ながらに応援してくださってる方だった。
「お疲れ様でした。いろいろとありがとうございました。」
私は丁寧に挨拶をした。
しかし、その女性は私から目を離さず、次の言葉を待っているようだった。
「踊れました。」
私がポツリと言うと、彼女は私を力強く抱きしめた。
「その一言が聞きたかった。」
その瞬間、ぐわぁぁっと涙が溢れて来た。
みんながそうやって、私を応援してくれていたのだ。
自分の子供を見守るように、私のことを気にかけてくれていた。
そのお母さんも一緒に泣いてくれた。
これが、祭り。
みんなをひとつにして、心を育んでくれる。
偉き人も 貧しき人も 心踊れば皆同じ
最後の最後で、大事なことに気づかされた。
祭りは競うものでもない。
つなげるものだ。
これが、祭りなのだ。
須賀IZANAI連で踊らなければ分からなかったかもしれない。
これが、よさこい。
(11)へつづく
みなさまへ
ガーナで12年続いていたよさこい祭が『元気がない』ということを知り、ガーナへ行くことを決めました。
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