02ダンス

セネガル音楽ンバラ(Mbalax)の魅力とは?アフロとの違いと融合のいま

この連休、ちょっとだけ遠出をしていた。
その道中、ずっと音楽を流していたのだけど、ずっと聞き慣れたアフロに変化球が欲しくて、チャンネルをセネガルポップスの「ンバラ(Mbalax)」に切り替えた。

ンバラは私が生まれる前から存在していた音楽。
セネガルのポップミュージック。
セネガルの伝統的なリズムと現代的なビートが融合してできたもので、セネガルでは街中どこに行っても流れている。
だけど、日本は当然のことながら、ヨーロッパや世界のアフロシーンを代表するようなアフリカ諸国では、あまり触れられて来なかったと思う。

たぶんその理由は「リズムの複雑さ」と「身体表現のトリッキーさ」かもしれない。
そこが私にとってはかっこいいと思ってしまうところなのだが、どこで手を叩いてリズムを取ってよいのかわからないくらい聞き慣れないリズムなので、初めての人にはハードルが高いし、セネガル人以外の人が、気軽に真似してTikTokでバズる……なんてことは、なかなか起こらない。

でも、最近、ンバラが少しずつ変化してきているように感じる。
若い世代のアーティストたちが、アフロビーツやアマピアノといった他ジャンルと自然に混ざり合う形で、ンバラをアップデートしている。
かつての、どこか演歌調にも聞こえる少し“土臭い”ような音作り(私はそこがたまらなく好きだったのだが。)が、ウォロフ語(セネガルの部族語)でのアフロビーツになってたりする。
でも、ンバラの良さが残っている。
アフロビーツはクールで単調だ。時に心地よいのだが退屈する時もある。
ンバラの曲は、哀愁ただようメロディがいきなり昇天し、太鼓が爆発的に躍動する。その情緒の振れ幅でテンションが乱高下する感じがたまらない。クールに洗練されたアフロビーツ調の曲になっても、この振り回される感じの曲構成は変わらず、セネガルっぽさが残っていた。

アフロシーンの人にも聞きやすい形でアップデートされているンバラ。
もしかすると、そのうちセネガルのステップなんかも注目浴びるようになるんじゃないかな。
そんなことを妄想してテンション上がりながらンバラを聞いていた。

複雑なものが簡単になっていくと同時に失われてしまうものもあるかもしれないが、、誰かとそのリズムやダンスをシェアできるようになった時、また新しい喜びが生まれるのも事実。

まだ、日本ではほとんど知られてない「ンバラ」。
知れば知るほど面白くて、踊れば踊るほど奥深い――それがンバラだ。
そして、アフリカ独特の『間』で遊ぶのに、この「ンバラ」は絶対に外せないダンス。

ヒップホップダンサーの大量の参入によって、アフロとヒップホップの表現の境目が曖昧になっている最近のアフロシーン。セネガルの昔ながらの表現が斬新に感じる時が来るかもしれない。

そんなワクワクを胸に、またアフロが楽しくなってしまうと感じてしまった今日であった。

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