E-flexが来日するまで
まだみんなの記憶に新しい、ガーナのダンサーE-flex。
(撮影・編集 @norimaki918 さん)
企画した東京でのワークショップはありがたいことに満員御礼。
ワークショップだけでなく、グループレッスンやコラボレッスン、交流会もお陰様でたくさんの方に来ていただいた。
参加者からの感動と喜びのメールもたくさん届いた。
こちらはその中のひとつ。
今日はありがとうございました!!!マイケルのクラス受講できてほんとうによかったです!
いいエネルギーすぎて、本当に心の充電ができたというか、あまりいい言葉が見つからないんですが、こんなにいい氣をもらえてすごく嬉しいです🔥🔥こんなステキな機会を頂きありがとうございました!ファティマタさんのおかげです。
そして、何より来日中の一番の大仕事はEテレ、Eダンスアカデミーの出演だった。
Eダンスアカデミー
放映は9/20(金) 18:55-19:25
このロケやHNKでのスタジオ収録の現場を感無量の面持ちでジッと眺めていた女性がいた。
その女性が今回、E-flexを来日に導いた仕掛け人。よしこさん。
(E-flexの後ろに立ってる女性)
彼女はガーナ在住で、ガーナの日本大使館で働いている女性。
FATIMATAが2015年にガーナで行わるよさこい祭りにエントリーした際に、彼女はガーナでそのニュースを聞きつけて我々のチームに参加した。
それからずっと交流を深めている。
E-flexとFATIMATAとの出会い
良いダンサー、良い音楽は貧困地区にある。
私はよさこいが目的でガーナに来ていても、常に滞在中は現地のホットなダンスシーンを探るために、貧困地区に侵入し、夜な夜なストリートで踊り明かしているイケてるダンサーたちを捕まえては連絡先を交換していた。(要するに逆ナンパ)
声をかけたストリートダンサーとSNSで繋がると、そこからさらに繋がっているダンサーたちをチェックして、面白そうな活動をしてるダンサーがいれば、積極的にコンタクトを取った。
その中でも子供たちにダンスを教えている写真をたくさん投稿しているダンサーがいた。
それがE-flexだった。
そこから、E-flexとの交流が始まり、彼の熱心なダンス指導に惚れて、私のダンスの師匠になってもらった。
彼も貧困地区に住んでるひとりだった。
(ストリートチルドレンだった私の師匠、サクセスストーリーが感動すぎる!)
よしこさんの決意
私が2017年に再びガーナに訪れた際に、たまたまair bnbで手配した家がE-flexのアパートの近くだった。
私はそこがどんな場所かも分からずに宿泊を決めたのだが、その住所をよしこさんに告げた時に「大丈夫なの?」と心配された。
そこは貧困地区のど真ん中。
ガーナ在住の日本人はあまり近づかないエリアだった。
よしこさんが、私たちの住んでる家に恐る恐る遊びに来た時、そこの地区に住んでいる人たちの、貧しいながらもたくましく生きようとするパワフルな生き様を見て、ショックを受けたそうなのだ。
ハイソなエリアでぬるま湯に浸かりながら生きている人たちとは違い、エネルギーがみなぎっている。
よしこさんにはそう映ったらしいのだ。
E-flexはもともとストリートチルドレンだったが、ダンスで勝ち上がり、小学校などでダンスを教えることで得たお金で、貧しくて学校に行けない子供達を支援している。
そして、ストリートチルドレンたちに無償でダンスを教え続けている。
彼女がE-flexのその活動を知った時、こういう人こそ世に認められ、貧困地区で頑張って暮らしている人たちの希望の星となるべき。
そう思ったよしこさんは、ガーナの未来のために、彼を通してできることはなんだろうと考え、彼女の一時帰国と合わせ、E-flexを一週間だけ日本に連れて来ようと決意したらしいのだ。
そこで、よしこさんは私に相談してきた。
「E-flexが日本滞在期間中に何かできないかな。」
私は正気か?と耳を疑った。
どう考えてもリスクしかない。
アフリカから人をひとり連れてくるだけで莫大な費用がかかる。
たった一週間でその費用を稼げる保証は何もない。
それを踏まえても、よしこさんは躊躇することなく、決意を固めていた。
失敗したらそれはそれでしょうがない。という覚悟だった。
覚悟なしでは何事も成し得ない
そこまでの覚悟を見せられたら、私も黙っちゃいられない。
「どうにかしましょう。」
私のコネクションでどこまでできるか。
まずは、振り付けでお仕事をさせてもらっているNHKのEダンスアカデミーのプロデューサーにE-flexのプレゼンを開始。
その時のプロデューサーからの質問「日本に来た場合のアテンドはいるんですか?」
よしこさんの一時帰国は、アフリカ開発会議(TICAD)や原宿よさこいなどのお仕事もあり、アテンドにすべての時間は費やせない。
出演が決まれば、成田の送迎から、NHKとの打ち合わせや収録に至るまで、日本で彼を案内するアテンドが必要だ。
「私がやります。」
とっさに答えてしまったが、この時、私の覚悟が決まった。
そうして、ようやくNHK側が招聘(興行ビザの申請)してもらえるところまで話をこぎつけることができた。
実は、このビザの取得が大使館員であるよしこさんが保証人になったとしてもハードルが高く、なかなかのクセモノだったのだ。
(奇跡!ハードルの高いガーナからの入国VISAがどうして取れたか!)
そうと決まれば、あとはE-flexが滞在中のワークショップやグループレッスンなどのコーディネートを開始。
たくさんのダンサー仲間たちにご協力を得て拡散してもらい、E-flexの来日前には2回のワークショップは満員御礼となった。
空いている時間にはグループレッスンなども組み込み、一週間の内で7つのレッスンをこなしてもらう予定を組んだ。
NHKとの打ち合わせやロケ収録、スタジオ収録などを含めると、これらを一週間でこなすはかなりハードスケジュールだった。
一日だけ、OFFの日を作り、秋葉原へも行った。
私も、そこまで鬼じゃない。笑
最終日のレッスンはよしこさんも参加。
そして、E-flexの帰国の日があっと言うまにやってきた。
成田空港への行きすがら、24時間マネージャーとして徹していた私はこの日ばかりはダンサーとして、E-flexとダンスビデオを撮らせてもらった。
(撮影は @norimaki918 さん)
そして、成田に到着すると、よしこさんと二人で、出国ゲートに消えて行くE-flexを最後までじっと見届けた。
つねに未来を見る
すべてが予想以上の結果で終わった。
関わった全ての人たちが全員ハッピーな結果だったんじゃないかな。
感無量な思いで余韻に浸っていた私に、よしこさんが言った一言にシビれた。
「次はなにしよっか。」
ガーナダンスキャンプ
ガーナでダンス合宿!
ガーナに行って、E-flexたちからダンスを学ぼう。