01日記

あなたの最大の武器はなに?

昨日はヒルズブレックファーストのスペシャルイベントが六本木ヒルズアリーナで行われた。

その名もNight Breakfast。

このイベントは通常は月に一回、六本木ヒルズで朝の8時から行われるイベントで、5人~6人の選ばれたスピーカー達がPechaKucha(ペチャクチャ)という決められたプレゼンテーションルールに則ってプレゼンを展開する。

Hills Breakfast

決められたルールとは、スピーカーたち全員がプレゼンの時間は6分40秒と決まっている。

しかも、各スピーカーは20枚のスライドを準備し、1枚のスライドが20秒で切り替わる中で話しを進めなければいけない。

ここでの難関はスライドは自分の好きなタイミングで切り替えることができないのだ。

だから、20枚×20秒=1分40秒の中で自分の伝えたい事を話し切らないといけない。

このHills Breakfastは大好評で、朝の8時から約200名ほどの人が集まる。

私も過去に登壇した。

そして、今回のスペシャルイベントは、過去の登壇者たちが、テーブルを囲んでひとつのテーマに対して、クロスディスカッションをするコーナーもあり、私はそのコーナーに出演した。


(FATIMATA一番右)

テーマは『自分を変えた出会い』

主催側もそのディスカッションが面白くなるような個性的な人生を歩んでいる方たちをブッキングしていたのだろう、なかなか面白いメンバーの集まりだった。

一流企業に就職してサラリーマンをしていたが、このままじゃつまらんと会社を辞め、自分のやりたいことで起業した人。

賃貸マンションの更新時期に部屋を解約し、荷物をトランクルームに預け、小さなスーツケースひとつで放浪を1年つづけ、それを執筆し続けた執筆家など。

要するに、安定とは真反対の刺激的で冒険的な人生を歩んでいる人たち、良い意味で変態の集まりだった。

私たちにとってはそれは普通のことだが、そういう世界に憧れ、自分を変えたいと思って熱心にそのディスカッションを聴く、一般のオーディエンスが多いことに驚いた。

自分の出番も終え、場内をうろついていると、先ほどのディスカッションを熱心に聞いていたと思われる青年が私を捕まえた。

「あのっ。。。。。」

第一声から、何か特徴的な人。

どちらかというと、同じクラスにいたのに卒業するまで顔と名前が一致しない、帰宅部ではないけど部員2名の微生物研究部に所属し、体育のプールは100%見学するような感じの青年。

しかも彼の立ち位置が、最初から距離が近い。

でも、まっすぐ私を見つめる瞳は、真剣、実直そのものだった。

「ライフスタイルについて教えてください!」

うわっ、これは少々めんどくさいぞ。。。と思いつつも、大人ファティマタは100万ボルトの笑顔を見せて応えた。(*^▽^*)

「とにかく、自由であることかな。」

「自由であること・・・。」 青年は私の言ったことをかみ締めるように繰り返した。

なんだか変なこを言えない空気である。

「好きなことだけをして自由に生きる。これは最高に楽しいし、誰もがうらやむ事のように見えるけど、自由とは不自由より責任が重いんだよ。」

「ほぉぉぉ。。」

青年は食い入るように真剣な眼差しで私を見つめ、なんどもうなずいた。

「好きなことをするからと言って、人に迷惑をかけたり心配をかけたら意味がない。例えば一緒に住んでいる家族に経済的な負担や心配をかけないことが前提。だから好きな事をやるのは自由奔放に見えるけど、でも責任がないと出来ないことでもあるのだよ。」

フム、フム、と青年。

「ただ行って働いていれば安定したお金をもらえるサラリーマンとは違って、自由人は不安定でこの先どうなるか分からないリスクもある。」

フム、フム、と青年。

「みんな、その不安に押し潰されて、好きなことを続けるのを諦めてしまう。好きなことをして生きている人は華やかに見えるけど、、その不安を越えて生きていることも忘れずに。」

すると、青年、「好きなことをして自由に生きるために、何か武器になるような
モノがないとダメってことですか?」

「武器はどんなものだと思ってる?最大の武器はその事を「好きだ!」と感じている自分が『在る』ことだよ。」

おっと、我ながらちょっとカッコいいことを言った。

「自分・・・」と、その青年。

「心から、「それが好き!」と思える情熱。それを感じている自分。これが最大の武器。」

カッコいいフレーズだったから、もう一度繰り返した。

「そうですね。まずは、それが好きだと思えることが大事ですよね。」

なかなか話しが分かるではないか、青年!と心で叫び。

「まぁ、がんばるが良い!」と超上から目線で私はその場を去った。

そして、「そうか・・・・・。」と私は立ち止まった。

先ほど、私は青年に向かって偉そうに放った言葉、本当は自分に言っていたのかもしれない。

心が折れそうになった時、強がってひとりでどうにかしようともがいていた。

あんな青年のように、素直に誰かに尋ねることをすれば、意外に簡単に答えがでることもある。

最大の武器はそれを好きと思える自分が『在る』ことか。

なるほどね。

 

 

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