ファティマタセネガル物語は2004年にファティマタが経験したノンフィクションストーリーです。

ファティマタセネガル物語(1)はこちらから

 

突然現る、黒い塊

タバスキが終わった。

結局ゼイヌは1度も姿を現さなかった。

もうすでに彼のことはどうでも良かった。

ただ、貸したお金のことや、私との約束を破ったことが頭から離れず、それを思うと腹立たしかった。

タバスキから2日くらい過ぎ、部屋でくつろいでいたら、ゼイヌがひょっこり帰って来た。

 

「サヴァ!」

 

ゼイヌは何ごともなかった顔で私に挨拶すると部屋に入りベッドに座った。

あなたがいなかったことでどんだけ辛い思いをしたかという気持ちを涙で見せてやろうと試みたが、こんな時はちっとも涙は出てこない。

「どこに言ってたの?」と私が尋ねると、こともあろうに、ゼイヌは「チェス」と答えた。

チェスはユッスーがいるところ。

本来ならば、私も招待されていたはず。

あまりに予期していなかった返答に何から言っていいのかわからなくなった。

ゼイヌはお姉さんが病気で、から始まり訳のわからない言い訳を並べ始めた。

もう、耳を傾ける気にもならなかった。

あんなに夢中になっていたゼイヌが、今は黒い塊にしか見えない。

 

「ユッスーになんで彼女を連れて来なかったんだと怒られたよ。」と調子よく笑った。

 

「最低!」

 

私は大きな声を出した。

ここに、平気で彼がいること自体が腹立たしい。

顔も見たくない。

私は、部屋を飛び出した。

 

 

私は怒りでイライラした。

どこへ行くあてもなく、とりあえずアシュラムの街をフラフラ歩いた。

これから残り1ヶ月どうしよう。

怒るのも悲しむのももう疲れた。

 

PIC_0157 のコピー

 

 

しばらく歩いて、アパートに戻った。

自分の部屋に戻るとゼイヌはいなかった。

 

と、その瞬間、「ハッ!」と嫌な予感が走った。

私は鍵が開けっ放しになっている自分のスーツケースに駆け寄り、慌てて中を確認した。

さっきお財布を一番上にポンと放り投げて、スーツケースをバタっと閉めたまま鍵をかけるのを忘れていた。 すぐにお財布の中を確認した。

 

「やられた!」

 

確実にあるはずのお金がない。

頭の中が真っ白になった。

別のバックの中も確認した。

お土産用に買った新品の香水が数本なくなっていた。

完璧にやられた。

ここはセネガル。

日本じゃない。

 

ウカツだった。

でも誰が盗ったかの証拠はない。

ヤマだって簡単に中に入れる。

 

 

あの時、いつものようにスーツケースに鍵をかけとけば・・。

後悔の念が頭をぐるぐる駆けめぐった。

悔しくて、やりきれない。

日本円にすればたいした額ではない。

ただ、自分の気が抜けていたスキを狙われたことと、なによりこの部屋で物がなくなったことがショックだった。

そういえば、ヤマが言っていた。

「私は家族でも信用してない。」と。

 

やっぱりこの国、最低!

 

犯人は誰?

私は無気力のまま、居間に行った。

相変わらず、ヤマとベンジーがテレビを見ていた。

その二人に向かって私は先ほど起きたことを報告をした。

 

「あるはずのお金が私の部屋から無くなりました。」

 

ベンジーもヤマも驚いた顔をして私を見た。

 

「いくら?」

 

ヤマとベンジーが同時に尋ねた。

 

「1万セファ(約2000円)。」

 

私は少し言うのが恥ずかしかった。

実際、騒ぎ立てる程の大きな額じゃなかった。

だけど、このアパート内で無くなったことには変わりない。

私たちの知っている誰かだとすると、額の問題ではなかった。

 

「私たちのこと、疑ってる?」

 

そう、ヤマが尋ねて来た。

 

「いや。」と私は答えた。

 

するとベンジーがヤマに早口のウォロフ語で何かしゃべった。

ヤマもちょっと熱くなり、身振り手振りをつけてベンジーに言い返した。

どうやらベンジーがヤマのアリバイを確認し、ヤマは自分の潔白を主張しているような流れだった。

するとベンジーはとてもゆっくりな口調で私に忠告してきた。

 

「いつでもドアの鍵をかけなさい。そしてもう誰も中に入れないこと。ヤマ、お前も部屋に入っちゃダメだ。」 ベンジーの顔は真剣だった。

 

「ここで、こんなことが起きることは、僕にとっても許せないし辛い。だけど、誰が犯人かを追求すれば、もっと辛くなるだけだ。言ってることわかるかい?だからこのことは忘れて、残りの滞在を安全に楽しく過ごして欲しい。」

 

私の中では犯人と思える人はひとりしかいなかった。

ベンジーたちもそう思っているかも知れない。

でも、それを追求すること自体が悲しいことだと誰もが思っていた。

犯人を知ったところで誰もハッピーにならない。

 

私の中でゼイヌは終わった。

 

 

もう見たくもないし口も聞きたくない。

ドアを厳重に施錠した。

これでゼイヌがひょっこり現れたとしても、状況は読めるだろう。

とにかく頭を切り替えなければ。

 

 

私にはあと1ヶ月弱セネガル滞在が残っている。

とにかく、悔いの残らないセネガルにしないと。

もう、二度と来ることのないセネガルだから。

ようやく目を覚ました私は、しばらく踊っていなかった現実に焦りを感じ出した。

 

サバールに触れたい。

 

そう思った私は、現地のダンサーたちのことを思い出した。

 

ファティマタセネガル物語 第19話につづく

 

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