東京で初のアフロダンスバトル

先日、アフロダンスバトルが行われた。

 

アフロとは、アフリカのダンスミュージック(主にガーナ、ナイジェリア、南アフリカ、コートジボワール、アンゴラ、コンゴあたりのダンスミュージック。)と定義していて、その土地のダンスに精通しているダンスをアフロダンスと言っている。(少なくとも私は。)

 

バトルとは、ダンサーが1対1でフリースタイルのダンスを披露して、審査員がその場で勝敗を審議し、トーナメントで勝ち上がって行く。

 

曲はDJが選曲したアフロミュージックで踊る。なので、ダンサーたちは何の曲がかかるか分からない。

 

 

そんなニッチなジャンルのダンスバトルイベントが乃木坂のClub CACTUSで行われた。

Nawow

 

バトルの審査員は、NYからinstagramのフォロワー21万以上のカリスマダンサー筆頭に、パリや沖縄からも第一線で活躍中のアフロダンサーがゲストで呼ばれ、我々『東京アフロビーツ』も日本人代表として審査をさせてもらった。

nawownawownawow東京アフロビーツ

 

バトルはトーナメント戦。

 

バトルのエントリーメンバーは、東京、大阪、広島でアフロを教えているダンサーたちも含め、16人のチャレンジャーが集まった。

 

そのトーナメント戦の結果が、誰もが予期してなかった驚いた展開になったのだ。

 

なんと、誰からもダンサーとして認識されてなかった、モジャ君という男性が優勝をした!

もじゃ もじゃ

 

 
FATI部たちのエントリー

私は都内でダンスクラスをしているが、私の生徒の中でも、一緒にステージに立つことを目指しているメンバーを『FATI部』と呼んで知る。

 

FATI部はセミプロもいるが、ほとんどがOLさん。

 

そのFATI部からなんと8人がエントリーした。

 

普段、普通に働いているOLさんが、人前で、決められてない振りで、決められてない曲で人と争う。

 

そんな大チャレンジ、どんだけの勇気か想像できるだろうか。

 

エントリーした勇気だけでも、私は生徒たちを誇りに思った。

 

バトルは予選と本線があり、予選で全員が30秒のフリースタイルを踊り、その中から8名が絞り出される。

 

私は生徒の出場者が多いこともあり、予選の審査はお休み。

 

審査から外れていた私は、誰が本線に選ばれたのか発表されるまで分からない。

 

発表された8名の中に、FATI部の名前が3人挙がった時は、泣きそうなほど嬉しかった。

 

その中にはモジャ君もいた。

 

あのモジャ君だ。

 

 

モジャ君

一番ひだりの彼。

ファティ部

 

3年前くらいに突然、私のダンスクラスに習いに来た男の子。(結構若いのよ。)

 

それまではジャンベドラムをやっていた子で、ダンスに関してはまったくセンスゼロ。

 

ドラムをやっていただけに、リズム感は良いのだけど、「どうしてそうなっちゃうの?」という奇妙な動きをしてしまう彼。

 

いろんな手をほどこしたが、どうにもこうにもかっこよくならない。

 

「なんでだ。。」といつも私を悩ませた。

 

ただ、ダンスへの情熱は人一倍だった。

 

発表会のリハーサルがあれば、時間より早く来て、汗だくでひとり練していたり、自分のダンスを撮影し「添削して欲しい」と、私に送ってきたこともあった。

 

それでもやっぱり、どこかかっこ悪く、発表会のリハでも他のメンバーに笑われることも多かった。

 

それでも彼のダンス愛は止まらない。

 

ついには、私と一緒にガーナまで付いて来た。

 

そして、そのよく年は突然「パンツーラを習いに南アフリカに行って来ます。」と会社を辞めて、6ヶ月間アフリカにダンス修行しに行ってしまったのだ。

 

なんのために・・・

 

もはや誰も理解できない。

 

誰にもダンサーとして認められてない彼が、安定していた会社を辞めて6ヶ月アフリカ行って、ダンス勉強してどうするの?

 

これが、大半の人の意見。

 

私もそうだった。

 

 

ダンサーとして認められてなかったモジャ君の優勝

彼が帰国してから、彼のパンツーラをちゃんと見れるのがこのバトルだった。

 

予選を通過したダンサーたちの中にはプロダンサーもたくさんいた。

 

意気込み十二分で、スキルをガンガン見せつけてくるダンサーたちの中で、モジャ君は南アフリカで習得してきたダンスに加え、それをめちゃくちゃ楽しそうに踊ったのだ。

 

そして、「なにその動き。」と思わせる何とも滑稽な動きが不意に入ってくる。

 

それがダサくて、なんともモジャ君らしい。

 

その意表をついた表現が見てる人の心をわし摑みにして熱狂させた。

 

NYから来日したカリスマダンサーIzzyもおもわず「Wow!」と言ってしまう。

 

モジャ君がどれだけ情熱を持って頑張って来たか、そしてそれをどれだけ楽しんでいるか、その全てが彼の表現に滲み出ていた。

 

偽りのない、体に染み込まれたダンス。

 

だから、響くのだ。

 

釘付けになって、自然と歓声が出てしまう。

 

そうして、あれよあれよと決勝まで進んで行ってしまった。

 

あのモジャ君が、あんなに頭を悩ませたモジャ君が、モジャ君らしい表現で、私までもが熱狂させられてしまった。

 

決勝の相手は、世界中のアフロシーンを飛び回って活躍している大阪のダンサー。

 

日本のみならず、海外でもインストラクターとして呼ばれているほどの実力者だ。

 

片やモジャ君は、発表会のメンバーからも笑い者にされていた素人ダンサー。

 

二人の対戦。

 

モジャ君はこれまで通り得意のパンツーラで。大阪のダンサーはいろんなスタイルを混ぜながらも得意とするアフロハウスのバイブスで。

 

どちらも甲乙つけがたいダンスを披露した。

 

もう、私はこの時点で結果はどうでもいい。頑張ってる二人を見て、泣きたいくらいだった。

 

審議をする前に、NYからのカリスマダンサーIzzyがマイクを取って言った。

 

「違うスタイルのアフロダンスが見たい。」

 

なんていう無茶振り!

 

しかし、モジャ君の顔を見たら、自信ある表情で頷いていた。

 

私はこの時、ベストキッドの最後のシーン、鶴のポーズをしているダニエルを見守るミヤギ先生の心境と同じだった。

 

モジャ君が隠し球をもってることは、この私が一番よく知っていた。

 

あれだけ一緒にガーナのダンスを学んで来たのだから。

 

しかも、モジャ君は、このバトルではずっと南アフリカのパンツーラしか踊っていない。

 

そして、案の定、突然ガーナのダンスを披露したモジャ君は会場を沸かせてしまった。

 

大阪のダンサーはその時点ですでに全てのカードを出し尽くしていた感じだった。モジャ君よりダンスのスキルは高いが、モジャ君は意表ついたそのインパクトで勝ってしまった。

 

もう、ドラマでしかない。

 

 

 

 

自分というスタイル

モジャ君は、自分の信念とモジャ君らしさで勝った。

 

それ以外にない。

 

それが、見ている人の心を震わせたのだ。

 

カリスマダンサーIzzyのNYでのダンスレッスンは常に70人の生徒がいるらしい。

 

みんなIzzyみたいにかっこよく踊れるようになりたい。

 

誰だってそうだ。すでにいるカリスマを自分に重ねて、そこを目指していく。

 

でも、すでにあるものを目指してる限りは、もじゃ君みたいな奇跡は起こせないのかもしれない。

 

 

頑張っている人が頑張っている人を表に出したイベント

今回の素晴らしいイベントを企画してくれた、私の練習仲間、あーちゃん( @arisa_antz )彼女は、@japan_afroscene というインスタアカウントで日本のアフロ情報を発信している。

そして、彼女自身もアフロダンサーとして、日本のアフロシーンを盛り上げてくれている。

頑張っている彼女だからこそ、たくさんの頑張っているダンサーが集まった。

本当に素晴らしいイベントだった。

nawow

 

モジャ君のパフォーマンスがもう一度見れる

アフロダンスバトルで奇跡を起こした、モジャ君のソロダンスショウが見れるイベントがある!

まだモジャ君のダンスを見てない人は、ぜひ生で見てみて欲しい。

彼の生き様がそこに見れる。

モジャ君の情熱は自分のダンスだけではない。

多くの人に、アフリカンミュージックとダンスに触れてもらうために、このイベントはモジャ君がオーガナイザーとして企画している。

一度に、アフリカのいろんなバンドが見れる一粒で何度も美味しいイベントだ。

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Mojada3

FATI部も出演!生徒11人と一緒に踊ります。