03ウォロフ語

今日のウォロフ語64回目 セネガル人恒例の「お金ちょうだい!」祭り。伝統継承の王道を行く。

先日、セネガル人アーティストが来日した。

来日した理由は、ライブでもコンサートでもなく、日本人と入籍したから。

その入籍した女性が、何を隠そうSkypeウォロフ語レッスンの生徒さん。

そのセネガル人、セネガルでも素晴らしいダンサーであり、【グリオ】という伝統を継承する家系のひとり。

根っからのアーティスト。

その来日を記念して、先日、その彼のダンスクラスと、ダンスパーティーが行われた。

そこに集まった日本人たち。セネガル文化が好きでこうして集まっているのだが、うっかり忘れていたあるセネガル文化に思い切り直面した。

それは、「お金ちょうだい!」というもの。

 

 

アフリカと聞くと、誰もが歌を歌い、ダンスができるものだと思いがちだが、そういう訳でもない。

グリオの家系は、楽器の演奏や歌や踊りで人々を楽しませることが仕事であるが、グリオ以外の家系は言ってみれば、我々のような一般人。

グリオは一般家庭の結婚式、命名式、誕生日のような何か節目になるお祝いごとの時に呼ばれ、演奏したり歌を歌ったりする。

そこで必ず繰り広げられるのが、『主賓を誉め称える。』というパフォーマンス。

気持よくなった主賓はそこでグリオにおひねりする。

 

 

歌って誉め称えるその歌やMCには、必ず出て来るお決まりのフレーズがある。

それは、

「お金ちょうだい。」

こんなストレートな言い方はしないが、婉曲な表現を使ったとしても、

つまるところ結局「お金ちょうだい。」

そして、そのタイミングで主賓やその関係者たちは、それぞれにお金をそのMCや演奏者たちに渡しに行く。

その行為自体が、「我、裕福なり!」というステイタスになっている感がある。

お金を渡しているその顔は、実に気持ち良さげだ。

だから、「ちょうだい。」を言う方も、それを受けて渡しに行く方も、両者が『気持のいい』のバランスがちゃんと取れている。

これも、セネガルの文化!

グリオは「お金ちょうだい!」と歌い、主賓は裕福のアピールをする。

働き口が少ないセネガルだからこそ、その行為が成功者の象徴として彼らの自尊心を気持よく刺激する。

 

 

ただ、ここでひとつ問題なのは、

その「お金ちょうだい!」をグリオが日本のでやった場合。

当然、その文化に慣れてない日本人には、それはカツアゲ行為に見えてしまう可能性がある。のだ。

もちろん彼らグリオには悪気はない。

お客さんを喜ばせるためにやっている。

しかし、ここは日本。

下手をすると、その行為をしたがために、お客さんとの信頼関係を崩し、その集いに二度と足を運んでもらえないというリスクもはらんでいる。

現に、日本ではエントランスチャージという形ですでにアーティストに対してペイしている。

 

 

日々、時間に追われている日本人。

見たいものはネットですぐに動画が見れ、わざわざライブへ足を運ぶ人たちが減っているこのご時世。

彼らの文化を知らないお客さんに対して「お金ちょうだい。」をいきなり浴びせてしまったら・・・、

彼らセネガル人アーティストにとって、それはマイナス行為以外の何ものでもないのだ。

来たばかりのセネガル人はその事実を知らない。

これは、アーティストにとって死活問題なのだ!!

そのことを、セネガル人に最初に伝えるか、もしくは、ライブに来てくれるお客さんに事前に文化
のレクチャーをするか、何かしらの対策をしなければ、彼らがアーティストとして生き残る道はなくなる。

彼らをフォローするパートナーがそのことを知らせなければ、誰も彼らには教えてくれない。

同業者は常にキバを向けているからだ。

惚れた腫れたで「一緒になりました!」と言っているうちは、言葉なんてそんなに重要ではない。

しかし、彼らのその才能を日本で活かしてあげたいなら、パートナーがフォローしなくてはいけないことがくさんある。

彼らの素晴らしい能力をつぶさないためにも、深い言葉のコミュニケーションは必須である。

だから、今日も頑張っていこう。

 

今日のウォロフ語

MCで主賓を讃えながら「お金ちょうだい」を歌うこと。

ウォイアーン

 


 

 

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